今回は、台車走行用遊星減速機の分解点検・補修事例をご紹介します。
設備から取り外した減速機をお預かりし、受入時の状態確認から、分解・洗浄、各部品の検査・計測、消耗部品の交換、組立調整、試運転まで一貫して対応しました。
台車走行用遊星減速機の分解点検・補修
受入・状態確認
お客様より、吊上げ台車の走行装置に使用されている遊星減速機をお預かりしました。
受入時には、手回しによる回転状態や外部への油漏れの有無を確認しました。減速機の外観には汚れが付着しており、抜き取った潤滑油にも著しい汚れが見られたため、内部の状態を確認するために分解点検を実施しました。
分解・洗浄
減速機を分解し、ケーシング、シャフト、ベベルギヤ、遊星歯車、ベアリングなどの内部部品を取り外しました。
分解した部品は洗浄し、付着していた潤滑油や汚れを除去したうえで、一つずつ摩耗や損傷の状態を確認しました。
各部品の検査・計測
分解後は、ギヤやシャフトなどの主要部品について、目視検査、浸透探傷試験(PT検査)、寸法計測を実施しました。
シャフトについては曲がりや芯振れを計測し、各部品の軸径・穴径・嵌め合い寸法も確認しています。ギヤには一部に軽度の摩耗や傷が見られましたが、PT検査ではクラックがないことを確認しました。
検査結果を総合的に判断し、主要なギヤやシャフトは継続して使用可能としました。
消耗部品の交換・組立調整
分解点検の結果に基づき、使用可能な主要部品は再使用し、ベアリング、ニードルベアリング、オイルシール、スナップリング、軸受ナットなどの消耗部品を新品に交換しました。
その後、シャフトや遊星歯車を順番に組み立て、シャフトの芯振れ、スラストギャップ、ギヤのバックラッシュ、歯当たりを計測・調整しました。
必要以上に主要部品を交換せず、使用可能な部品を継続利用することで、整備品質とコストの両面に配慮しています。
試運転・整備完了
組立完了後は、Vベルトによる無負荷試運転を実施しました。
入力回転数1,080rpm、出力回転数15rpmの条件で、正転と逆転をそれぞれ3時間運転し、軸受温度、油温、電流値などの変化を確認しました。
試運転の結果、異音、異常振動、油漏れは確認されず、正常に運転できることを確認して整備完了となりました。
減速機の内部では、外観からは確認できない摩耗や傷、消耗部品の劣化が進んでいる場合があります。定期的に分解点検を行い、部品の状態を確認することで、大きな故障や設備停止の予防につながります。
千代田商事では、国内製・海外製を問わず、各種減速機の分解点検、部品計測、消耗部品交換、組立調整、試運転に対応しています。減速機の異音・振動・油漏れ、定期整備、オーバーホールなどでお困りの方は、どうぞお気軽にご相談ください。
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