夏場の出力低下を防ぐ。仮設冷却塔による冷却能力増強事例

仮設冷却塔の設置イメージ
夏季限定で設置された仮設冷却塔
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今回は、夏場の外気温上昇に伴う冷却能力不足を解決するために、「仮設冷却塔(クーリングタワー)」を設置して冷却能力を増強した事例をご紹介します。
既設設備の能力不足を補い、夏場の発電出力低下を防止した運用事例です。
1. 課題:夏場の冷却能力不足による出力制限
石炭火力発電設備で使用する既設の冷却塔において、夏場の気温上昇に伴い冷却能力が不足し、タービン軸受メタル(ベアリング)の油温が上昇してしまうという問題が発生していました。

油温が基準値を超えると、設備の保護のために発電出力を下げるか、タービンを停止させなければなりません。
熱交換器の増強など抜本的な対策工事は計画されていましたが、着工までの期間、夏場の運用をどう乗り切るかが課題となっていました。
2. 解決策:仮設冷却塔の接続による能力増強
仮設冷却塔
仮設冷却塔
そこで当社が提案したのが、仮設冷却塔を既設ラインに接続する方法です。
必要な期間(夏場)だけ設備能力を増強する手法を採用しました。

【提案設備の概要】
・機器:仮設冷却塔(20ftコンテナサイズ)
・付帯設備:6インチサクションホース、電源ケーブル等
・設置期間:夏季限定の45日間

既設の冷却ラインに仮設冷却塔を接続し、冷却能力を底上げしました。
3. 導入効果
仮設冷却塔を導入・稼働させた結果、以下の効果が得られました。
① 冷却水温度の低下
軸受メタルの油の冷却水温度を、これまでより「1℃」下げることに成功しました。
② 発電出力の回復
この温度低下により、温度制限による出力抑制を回避し、「約5MW(メガワット)」の発電出力上昇を実現しました。
③ 費用対効果(試算)
今回の事例における、出力制限による損失額と対策費用を比較しました。

・回避できた損失額:約1億800万円
(試算条件:石炭火力平均単価 20円/kWh × 5MW × 24時間 × 45日間)
・対策費用(レンタル費):820万円(45日間)

上記のとおり、対策費用を差し引いても約9,980万円の利益を確保できた計算になります。
設備投資を抑えつつ、機会損失を防ぐことができた事例となりました。
まとめ
今回は発電設備の事例でしたが、化学プラントや製造工場においても「夏場だけ冷却能力が不足する」というケースはあるかと思います。

千代田商事では、今回のような大型冷却塔から、スポットクーラー、チラーまで、現場の状況に合わせた「熱対策・冷却ソリューション」をご提案可能です。

夏本番になってからでは機材の確保が難しくなる場合もございます。冷却能力不足でお悩みの設備がございましたら、お早めに千代田商事までご相談ください。