今回は、大型ライナーを現地で3D計測し、CADモデルと2D図面の作成から、摩耗対策に向けた孔形状の変更検討まで対応した事例をご紹介します。
対象は、曲面や多数の孔、裏面の補強形状を持つライナーです。重量物のため現地で計測を行い、協力会社と連携して形状をデータ化しました。その後、孔の入側・出側の寸法や周囲の肉厚を確認し、変更内容を図面とモデルに反映しました。

保護用ライナーの表面

計測対象は2種類のライナーです。重量物を移動させる負担を考慮し、現地で計測を行うことになりました。事前に対象物の写真を共有し、吊り上げや反転など、現地で必要となる作業の段取りを調整しました。
続いて、現地で3D計測を実施しました。孔のある表面だけでなく、側面の曲面や裏面のリブも確認し、ライナーの形状を把握しました。
計測したデータをもとに、2種類のライナーのCADモデルと2D図面を作成しました。外形や断面、孔の形状を図面にまとめ、7月18日に初回のデータ一式を納品しました。
また、スキャンデータとCADモデルの形状の差を、色や数値で示す比較資料も作成しました。現物の計測結果とモデルを照合し、孔形状の変更を検討するためのデータをそろえました。

初回のスキャンデータとCADデータの比較
ライナー表面の孔は、カットされたスクラップが通過する部分です。初回のデータを確認した後、摩耗対策に向けて孔の寸法を変更したいというご相談をいただきました。
ご希望の寸法と計測結果を照合すると、既存の孔の出側寸法や、長手方向・短手方向の断面形状を考慮する必要がありました。そこで、孔の入側を広げるだけでなく、出側の寸法をどこまで維持するか、孔の傾斜部分と直線部分をどう組み合わせるかを検討しました。
複数の断面案を比較し、ご希望の寸法と既存形状の両方を確認しながら、変更方針を整理しました。

孔の入側の状態

検討の結果、孔の出側の変更をなるべく抑え、入側をご希望の寸法に近づける方針としました。長手方向と短手方向で異なる断面形状を採用し、孔の形を正方形にそろえることよりも、寸法と周囲の肉厚を優先しています。
端部の孔は、外側の肉厚を残しながら内側へ広げる形状を検討しました。これらの条件をもとにCADモデルと2D図面を修正し、変更前後の肉厚を比較しました。
孔を広げる際は、周囲にどれだけ肉厚が残るかを確認することも必要です。今回は、既存形状とのつながりを確認しながら、変更内容を図面とモデルに反映しました。
今回の対応では、現地計測をもとに大型ライナーの形状をCADモデルと2D図面にまとめました。さらに、孔の変更条件と周囲の肉厚を確認しながら改訂データを作成し、今後の製作仕様を検討するための資料をそろえることができました。
千代田商事では、協力会社と連携し、現物の形状確認から計測・図面化、仕様変更の検討まで対応しています。大型部品の形状をデータ化したい場合や、既存形状をもとに改良を検討したい場合は、お気軽にご相談ください。
図面や仕様がすべて揃っていなくてもご相談いただけます。まずは、用途・困っていること・現物の有無・おおよその寸法・希望時期を、分かる範囲でお知らせください。現物を長期間預けられないなどの制約もお伝えください。
3D計測だけですべての製作条件が決まるわけではありません。孔の寸法や周囲の肉厚、材質、使用条件を確認し、変更したい箇所を整理して検討を進めます。