【海外視察】POWERGEN 2024(米・ニューオーリンズ)

目次
  1. POWERGEN 2024 とは?(開催概要)
  2. 視察のねらい
  3. プラントツアー(Entergy 2拠点)
  4. 展示会で注目した製品
  5. まとめ(今後の展望)
POWERGEN 2024 とは?(開催概要)
2024年1月、米国ルイジアナ州ニューオーリンズで開催された、発電・エネルギー分野の国際見本市です。
出展企業は約500社、来場者は約8,000人規模。発電設備、保全、燃料転換(水素等)まで幅広いテーマが集約されていました。
視察のねらい
千代田商事の事業方針「世界の先端技術・優良商品の発掘」に沿って、
① 老朽設備の延命(補修・再生)/② 主要部品のサードパーティ活用/③ メンテ省力化・停止短縮(除塵機等)/④ 水素利活用(貯蔵・計測)
を重点テーマとして調査しました。
プラントツアー(Entergy 2拠点)
現地電力会社 Entergy の発電所を2拠点視察しました。
New Orleans Power Station
・Wärtsilä 製エンジン発電機を複数基で運用。起動・停止が5分以内と迅速で、変動する再エネを補完する柔軟電源として活用。

Ninemile 6
・LNG を燃料とする大型 GTCC を2基有し、出力は合計で約600万kW規模。
・四足歩行ロボット(SPOT)を巡視点検に活用。人手の省力化・安全性向上に寄与。

四足歩行ロボット(SPOT)による巡視点検
指示用のQRコード
展示会で注目した製品
Advanced Materials Technologies(補修再生)
図面がないブレードでも現品スケッチ+リバースエンジで補修再生が可能。コーティング対応で寿命延長も期待。対象はブレード以外の部品にも拡張可。
右側のブレードは、図面のない状態からリバースエンジニアリングされた部品です
Hydrolox(最新型除塵機)
水中可動部品を廃し、嵌め込み式ポリマーメッシュを採用。腐食課題に強く、長寿命かつ工期短縮に寄与。
その他
非接触で水分含有量を計測できる機器なども多くの注目を集めていました
まとめ(今後の展望)
会場では、名刺交換も資料配布もすべてQRコードで完結するなど、ペーパーレスが徹底されており、運営そのものが"次世代型"でした。
また「水素を火力発電に混ぜて燃やす(Hydrogen Blending)」をテーマにした勉強会では、米国が水素シフトを加速させている様子を実感。一方で、日本がアンモニア混焼に力を入れているのとは対照的で、同じカーボンニュートラルでも国ごとに戦略が大きく異なるという気付きがありました。

今回のPOWERGENを通じて、既存設備を延命・効率化する技術と、新しい水素エネルギーへの挑戦という、両極のトレンドを体感しました。これからも「世界の最先端を、日本の現場に」届けるべく、次回以降の展示会でも新しい知見を吸収してまいります。

そして視察を終えた後は、街角から響くジャズの演奏に耳を傾けながら、ニューオーリンズの空気を満喫しました。技術の未来と音楽の伝統、そのどちらもがこの街らしい余韻を与えてくれました。

過去展示会レポート
過去の展示会レポートもぜひご覧ください:
XPONENTIAL 2024 参加レポート
METEC 2023 参加レポート
bauma 2025 参加レポート
[無料ダウンロード]電力・再生エネルギー業界向け「サードパーティーによるコストダウン」の資料はこちらから