ORV設備海水ポンプ出側配管フランジ補修事例

発電所のORV(オープンラック式高圧気化器)設備のポンプ出側配管のフランジを補修した事例をご紹介いたします。
前回のブログで、ORV設備のパネル溶射補修をご案内しており、2回続けてORV(オープンラック式高圧気化器)設備関連の補修事例のご紹介となります。

ORV設備のポンプ配管は、海水による腐食劣化が進行しやすい設備です。また、砂塵が混入しやすい環境にあるため、摩耗も進行しやすくなります。
従来、お客様は簡易コーティングと溶接でポンプ配管を補修していましたが、2年ももたずに破孔してしまっていました。発電所では一般的に、2年または4年毎に定期点検を行います。そのため、お客様はORV設備のポンプ配管の耐久性向上をご希望されていました。
そこで、千代田商事から、下地処理方法の変更と耐摩耗に優れたコーティング材への変更、さらに新たな補強材を使用し、長寿命化する方法を提案いたしました。

それでは、ORV(オープンラック式高圧気化器)設備のポンプ出側配管のフランジ補修について、その工程をご紹介いたします。

下地処理前のポンプ配管の状態
海水による腐食により錆が発生。また、破孔も散見される状態でした。
ブラスト処理
コーティング前に、下地処理(ブラスト処理)を丁寧に行います。ブラスト処理を丁寧に行うかどうかで、その後の工事の質を左右します。
今回は、ブラスト処理⇒洗浄⇒ブラスト処理という工程で、錆などの表面にある不純物を完全に除去しました。
減肉箇所成型処理
下地処理(ブラスト処理)後、減肉した箇所の復元を行いました。
コーティング1
次に、耐摩耗・耐腐食性の高いコーティング材を塗布しました。外面の腐食が激しかった部分には、外面にもコーティングを塗布しました。
補強材を追加
ORV設備のポンプ配管は、腐食が激しかったため、コーティングの上から更にガラスクロスを使って補強しました。
コーティング2
補強材の上から、さらに腐食に強いコーティング材を塗布しました。
仕上加工
余分な箇所のコーティングや補強材をグラインダーにて滑らかに仕上げしました。
膜圧測定検査後、お客様へ納入いたしました
ORV設備の海水ポンプ出側配管フランジ補修の事例をご紹介いたしました。
腐食や摩耗が進行しやすい設備の補修でも、このように補修方法を変えることで操業期間を伸ばすことができます。その結果、コストダウンにも繋げられます。
設備の補修やメンテナンスでお困りの方は、どうぞお気軽に千代田商事へご相談ください。