ゴムライニング付き大型タンク(鋼構造)の肉厚残存診断 -CBM(状態基準保全)-

大型タンク(鋼構造)は、製鉄所、発電所(発電設備)や化学工場などで使用されています。長期に渡り使用していると、大型タンクの残存寿命の把握が必要になることがあります。
今回のブログでは、ゴムライニング付き大型タンクの"測定・検査"方法をご紹介します。一般的に、ゴムライニング付き大型タンクの鉄皮は計測しづらいため、特殊な機械を使用しました。
それから、お客様からは「測定・検査結果を活かしたCBM(状態基準保全)にも取り組みたい」とのご要望がありました。
千代田商事は、CBM(状態基準保全)に関するお客様からのご要望にお応えし、実績を積み重ねてきました。その実績を活かして、大型タンク(鋼構造)の肉厚残存診断と併せて、CBM(状態基準保全)のプランまでをご提案しました。

CBM(状態基準保全)とは
CBMとは、Condition Based Maintenance の略語で「状態基準保全」と表記されます。
CBMは、機械や設備、それらの部品の状況や稼働状況などを調べて、メンテナンスする手法です。実際に壊れそうなところをメンテナンスするため、不要なメンテナンスコストを抑えられるのが利点です。
予知保全と状態基準保全

大型タンク(鋼構造)の肉厚残存診断
大型タンク(鋼構造)の外観(現状)
ゴムライニング付き大型タンク(鋼構造)の外観を確認しました。
今回のタンクには、強酸性の流体が貯蔵されていました。その為、鉄とゴムライニングの間の隙間と腐食の有無を確認しました。それと同時に、溶接の不具合等も確認しました。
鉄皮の厚みを測定
特殊な器具を使用し、タンク外面の鉄皮の厚みを測定しました。測定結果は、タブレット画面で即時に確認できます。その場で結果確認できることで、早期の不良発見と対応スピードを向上できます。
PT検査
溶接部のPT検査も実施しました。大型タンクの再使用に備え、不具合チェックを念入りに実施しました。
PT検査とは:浸透液を使用する非破壊検査。現像前の毛管現象により、試験体表面に開口した傷部分を指示模様として拡大させる。
外観の欠陥を発見
PT検査により発見された外観の欠陥。お客様と一緒に補修方法を検討しました。
結果
点検結果をグラフィック化し、お客様にわかりやすくご報告しました。
この結果からわかった状態と不具合箇所を確認し、保全(補修・メンテナンス)方法をお客様と打ち合わせしました。
ゴムライニング付き大型タンク(鋼構造)の点検の様子

測定・検査を経て得られた結果から、大型タンクの状態を正確に把握することができます。それを踏まえ、保全(補修・メンテナンス)方法を決めることがCBM(状態基準保全)であると言えます。
千代田商事ではお客様と協力しながら、CBM(状態基準保全)に取り組んでおります。ご興味がございましたら、お気軽にご相談ください。
本日も最後までご覧いただき、ありがとうございました。


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